裁判所事務官はやめとけ?離職率低い・残業少ない・有給消化率高いけどメンタルをやられる人もいる!

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公務員を目指している方の中には、裁判所事務官になることを考えている人もいるかと思います。

比較的女性が多く、ホワイトな職場とも言われます。

一方で、「裁判所事務官はやめとけ」と言った意見もあります。

どちらが本当なんでしょうか?

結論としては、「裁判所事務官はやめとけとは言えない」です。

残業時間が短く、有給消化率が高いというデータがあり、離職率も低いと言われています。

ですので、働きやすい環境と考えられます。

一方で、休職者が民間企業よりも高いというデータがありますので、メンタルをやられてしまう方がいることも事実です。

基本的には裁判所事務官はホワイトといえますが、そもそも裁判所事務官という仕事が本人の適性にあっていない場合は、「やめとけ」となる可能性があります。

裁判所事務官に関するデータと共に、分析結果を紹介していきますので、裁判所事務官になるかどうかじっくり考えていただければと思います。

目次

裁判所事務官が人気の理由3選

裁判所事務官が人気の理由を3つ紹介します。

実際に裁判所で働いた方の意見やデータをもとに、働きやすい環境であることが伺えます。

ただし、地域差や職場による差があるかもしれませんので、ご注意ください。

離職率が高くない

裁判所事務官の離職率は高くないという意見があります。

残念ながら具体的な数字は見当たりませんでしたが、裁判所勤務の方の感覚では離職率は高くないという意見ばかりでした。

各地方裁判所で行われた会議の議事録から、一部抜粋いたします。

数値はもっていないが,離職率が高いという感覚はない

引用元:第37回長野地方裁判所委員会議事概要(平成30年)

統計は取っていないが,裁判所において採用後数年で離職する職員はほとんどい
ない

引用元:奈良地方裁判所委員会・奈良家庭裁判所委員会 議事概要(平成30年)

離職率について統計数値はないが、肌感覚としてはゼロではない。ただし、
間一般よりも少ない
とは思っている。

引用元:新潟地方裁判所委員会(第45回)議事概要(令和5年)

感覚で語っているところが気になりますが、口を揃えて「離職率は高くない」と語っています。

また、女性が妊娠や出産で離職されることがほとんどないという意見もありました。

統計を取っているわけではありませんが,まず妊娠や出産で離職される方はほ
とんどいません
。途中でやめる方はごく僅かにはいますが,年にいるか,いない
かぐらいの感じかなと思っておりますので,離職率がそんなに高い職場ではない
と感じております。

引用元:第30回山口地方裁判所委員会議事概要(令和3年)

裁判所で妊娠・出産で辞めることは基本的にあり
ません。なぜないかというと,それが可能な職場だからです。妊娠・出産したと
きに,その間休職しても復帰する場が待っている
と,その間の職場をみんなでフ
ォローするということは昔から行われています。

引用元:第30回山口地方裁判所委員会議事概要(令和3年)

裁判所は女性が比較的多い職場ですので、妊娠や出産で離職しなくてもいい環境ですね。

残業が少なめ

ダイアモンドオンラインの記事によると、2019年の裁判所の月間残業時間は「9.15時間」だそうです。

下記表で紹介されている、国家公務員のランキングの中でも、一番残業時間が短いことが分かります。

引用元:ダイアモンドオンライン

月の残業時間の平均が9時間というのは、かなり少なめですね。

有給消化率が高め

裁判所職員は、有給消化率が高めというデータもあります。

令和4年度の有休消化率は82.9%という高い数字がでています。

引用元:https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2023/nenkyuR4.pdf

民間の有給消化率の平均が62.1%ですので、20ポイント以上多いことが分かります。

引用元:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/23/dl/gaikyou.pdf

また、裁判所の職員の年間の有休は20日ですが、民間は平均17.6日と、そもそも年間の有休の日数も違います。

基本的には、民間企業よりも有休が多く、しかも取得しやすいということが分かります。

裁判所職員の休職率は高め?

裁判所の職員の働きやすさについて紹介してきました。

一方、裁判所職員は、メンタルをやられて休職している人の割合が多いのではないかという話もあります。

令和4年の国会の答弁の中で、90日以上の長期病休取得者数についての話がでていました。

  • 2018年:90人
  • 2018年:87人
  • 2020年:105人
  • 2021年:86人
  • 2022年:123人

とのことです。

また、2022年に事務官で休職している人の割合は、0.69%と書かれています。

 私の方でちょっと申し上げると、つまり、二〇一八年九十人、二〇一九年八十七人、二〇年百五人、二一年八十六人で、二〇二二年は百二十三人と。これが九十日以上の長期病休取得者数、そしてその割合と。
 割合としては、今年度、書記官さんで〇・五五%、家裁調査官で〇・二五%、事務官で〇・六九%と。これまでの経過に比べても増えていっているという、こういうことになっているわけですが、最高裁、これどういうふうに評価しているんですか。

引用元:https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121015206X00720221117/311

休職者が0.69%という数字だけ見ても、多いのか少ないのか分かりませんでの、公務員全体及び民間と比較してみます。

公務員の2021年の常勤職員は269,101人に対して、休職者は1,931人です。

公務員全体の休職率は、約0.72%です。

裁判所事務官の方が少し多い結果になっていますが、そこまで大きな差ではありません。

次に民間の休職率です。

少し古いデータになりますが、財団法人 労務行政研究所が2008年にまとめた内容を参考にします。

メンタルヘルス不調のため、1ヶ月上欠勤、休職している社員の割合は0.49%だそうです。

引用元:https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000008234.pdf

この数字だけ見ると、民間の方が休職率が低いように見えます。

1ヶ月以上という条件ですので、公務員と同じく90日以上で集計しなおすと、もっと少ない割合になるかもしれません。

ただ、「裁判所事務官はメンタルヘルスをやられやすいんだ」という単純な話ではないと思います。

民間に比べて、公務員は法律でしっかり守られているので、安心して休職できるという考え方もできるでしょう。

公務員であれば90日休むことが許されたとしても、そんなに長く休ませられない企業もあると思いますし、自主退職をすすめているかもしれません。

裁判所事務官はメンタルがやられて大変」という考えもありますし、「裁判所事務官ならメンタルやられても休んでしまえばいい」という考えもあると思います。

まとめ:裁判所事務官はやめとけとは言えない

裁判所事務官はやめとけとは言えない」という結論になりました。

裁判所事務官が人気の理由を3つ紹介しました。

  • 離職率が高くない
  • 残業が少なめ
  • 有給消化率が高め

これらを見ると、働きやすい職場といえます。

しかし、人間関係に悩んだり、仕事のやりがいを見いだせない方には、どれだけ働きやすい環境でも、あまり意味がないかもしれません。

実際、裁判所事務官がメンタルをやられて休職する割合は、0.69%程度あるようです。

働きやすいからという理由だけで、裁判所事務官を選ぶと後悔してしまうかもしれません

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