リース業界はやめとけ?景気や会計基準変更に影響されるので「やめとけ」と断言できない!

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ヤフー知恵袋を見ていると、リース業界への就職を考えている方の質問がありました。

『リース業界』への就職を皆さんはどう考えますか?
自分は21卒の学生ですがこれまでは銀行、証券、保険といった方面への就職を考えておりました
しかし、dodaというサイトの休みや年収のランキングを眺めていたところ、金融業界の中ではリースが年収も良く休みがとても多いと感じたのでリース業界を考え始めました

引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10221950965

結論としては、「リース業界はやめとけと断言できない」です。

リース業界は、景気によって売上が左右されます。

ですので、現時点で給与や待遇が良かったとしても、今後の景気次第ではリース業界自体が厳しくなる可能性があります。

逆に、景気がよくなれば、もっとリース業界の給与や待遇がよくなることも考えられます。

ですので、一概にリース業界は「やめとけ」とも「おすすめ」とも断言できません

目次

リース業界は景気に左右されるので「やめとけ」と断言できない

リース業界は、一般的に景気の波に大きく影響を受けるビジネスです。

企業が設備投資をするにあたり、コピー機や通信機器の初期費用を抑えるために、リース契約が考えられます。

経済が低迷期に入ると、設備投資需要が減少します。リース会社の主力商品であるオフィス機器や産業機械などのリース需要が落ち込むのです。

しかし、景気が上向き始めれば、再び設備更新や新規投資の機運が高まります。リース需要の回復が期待できるようになるのです。

実際、リース業界の売上が、景気と関係していると思われる情報を紹介します。

「公益社団法人 リース事業協会」が公開している「リース設備投資額」と「民間設備投資額」をもとに、グラフにしたのが下図です。

青色が「民間設備投資額」、オレンジが「リース設備投資額」です。

https://www.leasing.or.jp/statistics/docs/2023_04.pdf を元にグラフを作成

それぞれの投資額の桁は違いますが、同じような形のグラフになっていることが見てとれます。

1990年頃までは、どちらも急激に伸び、その後の「失われた30年」では上がったり、下がったりしています。

また、2008年頃のリーマンショックや2019年のコロナ関係での落ち込みでも、似たような動きになっています。

リース業界自体が、景気に左右される業界と考えてもいいかと思います。

ですので、今後日本経済が上向きになると考えれば、リース業界も伸びが期待できるでしょう。

しかしながら、日本経済がどうなるかを正確に読むのは難しいので、リース業界は「おすすめ」とも「やめとけ」とも断言することはできません。

リース業界は会計基準の改正にも左右される

リース業界はの会計基準の改正によっても大きな影響を受けます

企業がリース契約をする利点の1つに、会計処理が楽になることがあげられます。

2009年に、大企業を中心に、国際的な会計基準にあわせる形となりました。

詳細は省きますが、リース料が費用計上だけだったのが、資産や負債としても計上しなければいけなくなりました

そうなると、リースのメリットである会計処理の楽さが減ってしまいます。

実際、先程の「リース設備投資額」と「民間設備投資額」のグラフを見ると、2007~2009年頃の「リース設備投資額」の落ち込みが大きいことが分かります。

https://www.leasing.or.jp/statistics/docs/2023_04.pdf を元にグラフを作成

「民間設備投資額」に対して、「リース設備投資額」がどのくらいか、比率を表したのが下記グラフです。

2000年代前半に8%以上の数字を見せていましたが、2009年にかけて5%台まで落ち込みました

リーマンショックの落ち込みもあるでしょうが、会計基準の変更により、リースの魅力が減ったことも要因の1つでしょう。

https://www.leasing.or.jp/statistics/docs/2023_04.pdf を元に作成

さらに、2023年に「リースに関する会計基準(案)」が公表され、2026年からリース基準の改正が行われる予定です。

大企業以外でも、リースに対する会計処理の手間が増えることが予想されます

リースのメリットが完全になくなるわけではないですが、リース営業する時の武器が1つなくなると考えていいでしょう。

リース業界にとっては逆風ですが、「やめとけ」と断言するほどの影響があるかどうかは、分かりません。

リースの営業が厳しくなるかもしれない

「リース業界はやめとけ」と言われる理由の1つに、営業の厳しさがあります。

会社にもよると思うのですが、
私の知っている限りではコピー機や複合機などのような先端技術に関するOA機器類の営業はかなり厳しいようで
アポ無し訪販も場合によっては課せられるお仕事のようです。

引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1014384955

会社によっては、飛び込み営業もさせられるようですね。

また、他社と差別化しづらいため、お客さんを説得させるのも難しいとされています。

さらに、上で紹介したように、会計上のメリットが減ってしまうと、リースそのものが不要と判断されるかもしれません。

もちろん、最初に書いたように、景気がよくなれば、営業も楽になってくる可能性があります。

結局のところ、景気に左右される部分があるので、「やめとけ」と断言はできない状況です。

まとめ:リース業界はやめとけと断言できない

リース業界はやめとけと断言できない」という結論になりました。

リース業界の売上は、企業の設備投資に影響を受けます。

そのため、景気がよくなるかどうかが、リース業界の運命を握っているとも言えます。

現時点のリース業界の待遇に満足だとしても、今後の日本経済次第で、話が変わってくるかもしれません。

なお、会計基準の変更により、リースの会計上のメリットが減ることが予想されますので、今後の営業が厳しくなる可能性はあります。

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