「国家公務員総合職はやめとけ」という言葉を耳にしたことはないでしょうか?
確かに、難関の採用試験、激しい競争、長時間労働など、様々な課題が待ち受けています。
これらの理由から、多くの人が国家公務員総合職を避けるべきだと考えているのかもしれません。
しかし、その一方で、国家公務員総合職には他では得られない魅力もあります。
日本の未来を左右する重要な政策立案に携わり、国民の生活に直接影響を与える仕事ができるのです。
このような使命感と責任は、他の職業では味わえないかもしれません。
本記事では、国家公務員総合職が「やめとけ」と言われる具体的な理由を3つ挙げ、詳しく解説します。同時に、それでもなお挑戦する価値がある理由についても触れていきます。
結論としては、「国家公務員総合職はやめとけと言えない」です。
確かに困難は多いですが、あなたの志望動機や価値観によっては、それらを上回る魅力があるかもしれません。
国家公務員総合職を目指すべきかどうかは、一概に誰かに決められるものではありません。
この記事を通じて、あなた自身がキャリアプランを深く考える機会になれば幸いです。
国家公務員総合職がやめとけと言われる理由3選
国家公務員総合職がやめとけと言われる理由について、3つ紹介します。
採用試験が難関
国家公務員総合職は、採用試験が難関とされています。
2023年度の受験者数に対する最終合格者の競争率を国家総合職と国家一般職で比較してみると、下記のようになります。
- 国家総合職:7.1倍
- 国家一般職:2.3倍
国家総合職の方が、一般職に比べて約3倍競争が激しいことが分かります。
また、国家総合職の合格者の出身大学を見ると、東京大学や京都大学等、そうそうたる大学が並んでいます。
国家総合職は競争率も高く、出身大学のレベルも高いといえます。
ですので、並の大学に通っている方は、「採用試験を受けるだけムダだから、やめとけ」と言われている可能性があります。
給与は高くない
国家総合職の採用試験は、上で紹介したように、一般職よりも競争率が高いです。
一方で、初任給については、それほど差がありません。
国家総合職(共用区分):240,840円
国家一般職(行政職員):235,440円
引用元:https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/jyukennannnaiichiran.html
競争率は3倍の違いがあるのに、初任給は5,000円程度しか変わりません。
給与を目的に、国家総合職を目指すのは、「割に合わないので、やめとけ」と言ってもいいでしょう。
ただし、肩書に関しては、国家総合職が主任クラスに対して、国家一般職は係員クラスという違いがあります。
係員は、一般企業でいうと、平社員と考えられます。
職場での立場は、国家総合職の方が少し上ということですね。
とはいえ、就職して1年目だったら、肩書はあまり関係ないと思いますが。
残業が多い
国家総合職は、残業が多い傾向にあります。
国家総合職は、「本府省」を中心に採用されます。一方、国家一般職は「本府省以外」にも採用される場合もあります。
それをふまえた上で、「本府省」と「本府省以外」の残業について、見ていきます。
「本府庁」と「本府省以外」で、上限を超えて残業をした職員の割合を示したのが、以下の表です。
なお、「他律部署」とは、業務量や実施タイミングを自ら決定するのが困難な部署のことです。
「自立部署」は、「他律部署」以外になっています。
引用元:https://www.jinji.go.jp/kouho_houdo/koumuinhakusyo/hakusho/pdf.html
上の表を見て分かるとおり、「本府省以外」よりも、「本府省」の方が上限を超えて残業をしている人の割合がかなり多いことが分かります。
特に、自分達で業務量をコントロールするのが困難な「他律部署」で顕著です。
国家総合職は「本府庁」での勤務が割合が多いので、残業時間も多いと言っていいでしょう。
国家総合職は、「勤務時間が長いから、やめとけ」と言われていると推測できます。
国家公務員総合職でしかできない仕事がある
ここまで、「国家総合職はやめとけ」と言われる理由について見てきました。
採用試験は難関で、業務量も多いのに、給与はそれほど多くないということが分かりました。
これだけだと、確かに「国家総合職はやめとけ」となりそうです。
しかしながら、「日本国民のために政策を考えたい」と思っているのなら、話は別です。
国家総合職は、「政策の企画及び立案又は調査及び研究に関する業務」と書かれています。
Q.総合職試験と一般職試験の違いについて教えてください。
A.総合職試験は、政策の企画及び立案又は調査及び研究に関する業務に従事する係員を採用するための試験であり、本府省を中心に採用されます。一 般職試験は、政策の実行やフィードバックなどに関する業務に従事する係員を採用するための試験であり、本府省での採用のほか、地方機関で採用される場合もあります。
引用元:https://www.jinji.go.jp/content/900032075.pdf
国家総合職なら、日本国民全体に影響を及ぼすような政策も企画できるといっても過言ではないでしょう。
これは、民間企業では無理ですし、国家一般職も通常はできない仕事です。
「日本国民のために政策を考えたい」という気持ちがあるのでしたら、業務量や給与は関係ないかもしれません。
ぜひ、「自分は何をしたいのか?」を考えて、就職先を選んでほしいです。
まとめ:国家総合職はやめとけと言えない
「国家総合職はやめとけと言えない」という結論になりました。
一般的に、下記のような理由から「国家総合職はやめとけ」と言われていると考えています。
- 採用試験が難関
- 給与は高くない
- 残業が多い
割に合わない職業と言ってもいいかもしれません。
しかしながら、「日本国民のために政策を考えたい」のでしたら、国家総合職に就く必要があります。
「絶対にやりとげたい」という気持ちがあるのでしたら、残業の多さや給与の安さは気にならないかもしれません。
まずは、「自分が何をしたいのか」を考えた上で、就職先を選んでいただきたいと思います。