公務員を目指している方の中には、税関職員になることを考えている方もいるのではないでしょうか?
税関職員は、不正薬物の密輸を阻止したり、社会貢献できる仕事ですね。
一方で、「税関職員はやめとけ」といった声も聞かれます。
不安になるかもしれませんが、結論としては「税関職員はやめとけとは言えない」です。
国を守る仕事ですので、確かに仕事は大変ですが、税関職員という仕事にやりがいを持っている方なら問題ないと考えます。
「税関職員は離職率が高い」といった話もありますが、根拠となるデータを提示している方は見当たりませんでした。
自分がやりたいことをしっかり持っていれば、税関職員はやめとけというような職業ではないでしょう。
「やめとけ」と言われて迷っているのは、自分のやりたいことが見つかっていないのかもしれません。
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税関職員はやめとけと言われる理由3選
一般的に、「税関職員はやめとけ」と言われる理由は下記の3つです。
- 夜勤がある
- 転勤がある
- 身に危険が及ぶ可能性がある
順に紹介していきます。
夜勤がある
空港や港では、夜間に飛行機や船が出入りすることがあります。
成田空港や関西国際空港等の大きな空港では、24時間空港が動いていますので、税関職員も24時間体制での勤務になります。
交代勤務になりますので、生活リズムが崩れる可能性があります。
また、土日が休みにならないことが多くなるので、家族や友達と予定があわないということもあるでしょう。
税関職員が全員夜勤があるわけではありませんが、避けてとおれないと思っておいた方がいいと思います。
「夜勤が嫌」「土日休みたい」という方は、税関職員をやめといた方がいいかもしれません。
転勤がある
税関職員は、引っ越しを伴う転勤の可能性があります。
税関のエリアは、下記の図のように9つのエリアに分かれています。
引用元:https://www.customs.go.jp/saiyou/pdf/2023/sougou/2023all.pdf
基本的には、エリア内での異動ですが、異動先によっては引っ越しを余儀なくされます。
上の図を見ていただくと分かりますが、「東京税関」や「横浜税関」は、東北の方までカバーしています。
また、「大阪税関」は北陸、「神戸税関」は中国、四国と広いエリアにわたっています。
税関職員は、2~3年に一度は異動があるので、何年かに一度は引っ越しを伴う転勤の可能性が高いです。
よほどの事情がない限りは、定年までに何度か転勤を経験するでしょう。
とはいえ、基本的には人口が多い地域の方が必要な税関職員も多くなりますので、転勤ばかりするということは少ないと考えられます。
絶対転勤したくない方には、税関職員はおすすめできませんね。
身に危険が及ぶ可能性がある
税関職員は、身に危険が及ぶ可能性があります。
密輸などの犯罪に立ち向かう際、何らかのトラブルになるかもしれないですね。
とはいえ、東京税関の資料によると、多くの職場で身の危険を感じることはないようです。
また、危険がある場所ではチームで動いて、安全確保につとめているようです。
多くの職場では、身の危険を感じることはありませんが、職場によっては犯則嫌疑者を相手にすることや、船内検査・巡回・張込等を実施し、エンジンルーム等危険な場所に行くこともあることから、全くないとはいえません。
引用元:https://www.customs.go.jp/tokyo/syo/saiyo_faq.pdf
そのため、経験のある先輩職員が常にフォローしますし、単独で行動することはなく、チームで動くことになっています。また、必要に応じて警察あるいは海上保安庁等と協力して取締りを行っています。
本当に危険なことが嫌なら、面接時や上司に相談すればいいと思います。
そもそも、危険なことが嫌な方は、税関職員には向いていないのかもしれません。
税関職員はやめとけとは言えない
ここまで、「税関職員はやめとけ」と言われる一般的な理由を紹介してきました。
当然、働く上で何が大事かは人それぞれ違うと思います。
ただ、個人的には「税関職員はやめとけ」と言われるような職業ではないと考えています。
その理由について、順に紹介していきます。
税関という職業にやりがいが持てるかどうかが重要
税関職員になるかどうかの最大のポイントは、この仕事にやりがいを感じられるかどうかでしょう。
国境の安全を守るという使命感を持てる人なら、困難な仕事にも耐えられるでしょうし、夜勤や転勤も気にならないと思います。
逆に、何となく公務員になった方でしたら、仕事のキツさで嫌になってしまうかもしれません。
まずは、本当に税関職員になりたいのかどうかを考えるのが重要でしょう。
仕事のキツさは職場によって違う
税関職員の仕事のきつさは、配属先の職場環境によっても大きく異なります。
大きな空港や港で勤務すれば、仕事量は多くなりますし、逆でしたら少なくなります。
人と接する仕事もあれば、デスクワークもあります。
税関全体で約1万人いますので、それらの仕事をひとくくりにして「やめとけ」というのは無理があるでしょう。
女性の割合は多め
税関は、公務員の中では比較的女性の割合が多めです。
公務員全体での新規採用者のうち、女性の比率はだいたい38%前後ですが、税関は40%を越える比率になっています。
年度 | 税関の新規採用女性比率 | 公務員全体の新規採用女性比率 |
---|---|---|
令和5年度 | 42.2% | 38.7% |
令和4年度 | 40.3% | 37.2% |
令和3年度 | 37.2% | 37.9% |
引用元:https://www.customs.go.jp/saiyou/pdf/2023/ippan/2023all.pdf
女性が増えれば、女性が働きやすい環境も整っていくでしょう。
また、出産後も働く環境が整っているようですので、女性の方が長く働ける環境と言えそうです。
産前産後休暇のほか、子が3歳になるまで育児休業を取得することも可能で、
引用元:https://www.customs.go.jp/tokyo/syo/saiyo_faq.pdf
現在はほとんどの女性職員が育児休業制度を利用し、その後復帰して活躍しています。
離職率が高いというデータは見当たらない
税関職員の離職率が高いといっている方もいますが、裏付けとなるような明確なデータは見当たりませんでした。
参考までに、税関職員が含まれる区分である「行政職(一)」の30歳未満の離職率は約4.3%でした(参考:「人事院 令和4年度 年次報告書」)
税関職員の離職率が多少高いと考えたとしても、10%はいかないと考えます。
民間の離職率が15%程度ですので、10%だったとしても、税関職員の離職率が高いということにはなりません。
根拠もなく、「税関は離職率が高い」と言っているようでしたら、気にする必要はないでしょう。
まとめ:税関職員はやめとけとは言えない
「税関職員はやめとけとは言えない」という結論になりました。
税関職員は、仕事の大変さはありますが、「やめとけ」と言えるような要素は見つけられませんでした。
夜勤や転勤という懸念材料もありますが、税関という仕事にやりがいを持てるかどうかが重要だと思います。
「税関は離職率が高い」といった話もありますが、根拠は見つけられませんでしたので、思い込みだけで語っている可能性があります。
自分のやりたいことが何なのか考えた上で、納得いく選択をすれば、周りの「やめとけ」という声も気にならなくなるでしょう。
「やめとけ」と言われて迷っているのは、自分のやりたいことが見つかっていないのかもしれません。
自分の「やりたいこと」や「強み」を見つけるには、キャリアコーチングがおすすめです。
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