ヤフー知恵袋を見ていると、大工をやめようと思っている方の質問がありました。
初めまして。大工になって一年目なのですが、辞めようと思っています。理由は、毎日の様に嫌味を言われ、罵られる内に、やる気が無くなりどうしていけばいいのかわからなくなってきました。
新人は私一人であとは全員30~40年は大工歴があるベテランばかり。何か1つミスをすると物凄い勢いで全員に罵られます。
引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11105544211
昔ながらの職人気質の大工の弟子に、なったようですね。
結論からいうと、「昔ながらの大工はやめとけ」です。
「見て覚えろ」という、昔ながらの職人気質の大工は、時代に合わないでしょう。
家の建て方も変わってきていますので、古い価値観の大工のもとで、仕事をするのはおすすめしません。
昔ながらの大工の需要は減少しているから「やめとけ」
大工がやめとけと言われる理由に、大工の需要が減っていることが一員としてあげられます。
木造建築が減少している
身の回りの建物を見ていただくと分かると思いますが、木造建築自体が、減ってきています。
政府が公表している「建築着工統計」の情報をもとに作成したのが、以下のグラフです。
昭和63年から令和4年までの34年間の木造建築の数の推移です。
ゆっくりと、右肩下がりで推移しているのが、分かると思います。
大工の需要が減っているので、大工の将来性に不安が残ります。
プレカット工法により昔ながらの大工が不要になっている
木造の家であっても、現在はプレカット工法が用いられることがあります。
「プレカット」という名前のとおり、事前に工場等で木材を切断、加工し現地では組み立てるだけの状態にした方法です。
これにより、大工が現場で墨入れ等をして、その場で必要な長さに木材を加工するという手間が不要になります。
いわゆる昔ながらの職人芸がなくても、木造の家を建てられるということですね。
昔ながらの職人は、必要なくなってきていると言えます。
時代遅れの昔ながらの大工は賃金も安いから「やめとけ」
大工の需要が減ってきている中、時代についていけない大工は安い給与のままということが考えられます。
大工の職人芸は不要になってきている。
上で紹介したように、大工の需要は減ってきています。
また、木造建築をするにしても、大工の職人芸は不要になってきています。
それなのに、昔ながらの「見て覚えろ」系のやり方をしている職場であれば、時代遅れといえます。
いつまでも下働きさせるよりは、新人であってもどんどん新しい技術を覚えさせて、即戦力に育て上げる必要があるでしょう。
特にパワハラのような悪しき習慣が残っている職場は、「やめとけ」と言わざるを得ません。
最初に紹介した質問者さんも、骨折しているのに「駄目なやつ」と叱責を受けているようです。
こんな職場は、さっさと辞めた方がいいでしょう。
それでも何とかついていこうと急いで仕事をこなそうとやってはいたのですが、先日、脚立から落ちてしまい手首と肋骨を骨折しました。
さすがに動けないので、掃除など出来る事をやってはいましたが、使えない。駄目な奴だと言われたので、無理矢理に体を動かし仕事をしています。
引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11105544211
大工の職人芸に対するお金が見合わなくなっている
「大工はやめとけ」という理由に、「賃金の安さ」があげられます。
これは、身につけた技術に対して、もらうお金が見合わなくなってきているとも考えられます。
「手に職をつけている」と言えば、かっこいいですが、それに見合うお金がもらえないので、あればもったいないのではないでしょうか?
大工自体も減っている
大工の需要が減っていることにあわせて、大工自体も減ってきています。
1980年をピークに、大工の数が減少していることが分かります。
引用元:https://www1.mlit.go.jp:8088/jutakukentiku/house/content/001581926.pdf
特に、30歳未満の比較的若い世代が減っていることが分かりますね。
若い人にとって、大工が魅力のない職業に写っていることが見て取れます。
いくらキツくても、それに見合うだけのやりがいや給与があれば、もっと若い人が増えていてもおかしくないでしょう。
まとめ:昔ながらの大工はやめとけ
「昔ながらの大工はやめとけ」という結論になりました。
大工の需要が減っている現在、昔ながらの大工としての職人技を身につける必要性が減ってきています。
すくなくても、身につけた職人技に対する賃金がもらえる保証はありません。
特に、「見て覚えろ」とか、「暴言・暴力が当たり前」のような、悪しき習慣が残る職場は「やめとけ」と言わざるを得ません。